2012年2月23日木曜日

2月23日

〇New Scientist

"Death in the digital world"
死後、SNSなどのオンラインの“遺産”をどうするか?という記事。アメリカのある州ではこれに関して法律を定める動きもあるらしい。デジタル遺言書といったサービスもあるという。
私のようにオンライン上でほとんど何もしていない人はよいが、リッチなコンテンツをつくっている人や、いろいろな思い出を載せている人もいるので、トラブルや不幸がないように、議論して制度化すべきことは進めた方がよいのでしょうなぁ。


〇New York Times

ロシアの研究者の成果。記事のタイトルのままなのだが、このNYTの記事によると、これまでもファラオの墓から見つかった小麦が芽吹いただの、この手の話はコンタミなどが多くあったが、今回は厳密に放射性同位体による年代測定も行っているとのこと。研究成果は、PNASに発表されている。永久凍土で保存されていたリスから果実の組織を取り出して、それを人工培養して再生したという。植物ならではといえ、驚きの成果にはちがいない。

2012年2月16日木曜日

2月16日


〇New Scientist

"First among equals"
Ian Stewartの記事。たまにNSでやるのだが、新しい本を出版した著者が、著作のエッセンスを記事にするという宣伝記事である。"17 equations that changed the world"という本。
物理学の基本的な話を七つの方程式にまつわる話として紹介しているのだが、おもしろいことに方程式は記事の扉絵の意匠としてしか使われておらず、解説には一切登場しない。数式アレルギーの人にもさらりと読んでもらおう、というわけ。
なお、7つの式というのは、波動方程式、マックスウェルの方程式、フーリエ変換、シュレーディンガー方程式。
それにしてもNSって、雑誌の記事タイトルとHPでの記事のタイトルがいつも違っている。。なぜ?

"Magic up molecules, no fiendish physics"
化学物質のデザインの話。前述のシュレーディンガー方程式で計算すると、アスピリン程度の化学的性質の計算も不可能で、機械学習を使ったアルゴリズムで計算する方法でかなり効率アップが図れるという。蛋白質のフォールディングやドッキングなんかも、いろいろと計算法の洗練がはかられていますね。そういえば。
コンピュータベースの薬物設計など、かなり進展が大きい分野で、まとまった報告を読んでみたいところです。


〇New York Times

"Mathematicians Organize Boycott of a Publisher" Feb 13, 2012
フィールズ賞受賞者を含む数学者の集団が、Elsevierという出版社の出す雑誌のボイコットをしているという記事。出版社が仕事は研究者にさせて購読料でもうけしていることへの批判から。
こうした批判を皮切りに、オープンアクセスのジャーナルがもっと普及すればよいと思う。学術雑誌は開かれたものであってほしい。

"50 Years Later, Celebrating John Glenn's Feat"
50年前、アメリカ人として初めて地球の周回軌道をまわったジョン・グレンの話。インタビューへのリンクもある。ジョン・グレンは上院議員を四期務め、大統領選の予備選にも出て、77歳でスペースシャトルに乗って宇宙に行っている(もちろん最高齢の記録)。御年90歳である。まだ有効なパイロットの免許があるのが自慢とか。
現在のアメリカの宇宙開発には、かなり不満がある様子。相当予算を削られているものなぁ。





2012年2月9日木曜日

2月9日


〇New Scientist

"Stretching spider silk to its high-tech limits"
絹の研究のレポート。蜘蛛の糸もsilkというのね。糸の分子レベルでの構造研究から、人工絹合成の研究も進んでいるが、なかなか天然の絹には近づきがたいという。
その絹の特性は以下の通り:

普通の蜘蛛の糸は、強度が鉄の20倍で、ケブラー繊維の4倍
1.5倍まではちぎれずに伸ばすことが可能
免疫反応を起こさない
生分解する

など。コラム的に、アフガンなどで活動する兵士の下着に絹を使っている話題も。軽さと丈夫さが、時に陰部を守れるかどうかで非常に重要なのだとか。



#今週は忙しかったのでこれ1本。。

2012年2月2日木曜日

2月2日

〇New Scientist

"Fracking health risks: Drilling into the unknown"
「Fracking」。ここ数年はやりの技術だそうで、水や砂、薬品を高圧で注入することによって、地下深くにあるShale(頁岩)を割って、トラップされているガスを得るというもの。アメリカではかなり行われているようだが、これに伴って、大気汚染や水質汚染が起きるのではという指摘が問題になっている模様。NSは危険性は小さいという論調。


〇New York Times

"A Scientific Look at the Dangers of High Heels" Jan 25, 2012
そこら辺を歩いているヒールのねーちゃんを見てると、いかにも危なっかしいので、言わずもがなといった感もあるが。。 ハイヒールの歩行への影響を生物力学的に解析した研究の紹介。ヒールをはくと、短くてより強いストライドで歩き、常に曲がった、つま先立ちの状態になるという。まぁ、観察の通りなのだが、おもしろいことにこうしたパターンは、ヒールを脱いで裸足で歩いても続けて見られたという。その結果、ふくらはぎの筋肉には相当な負担がかかっている、と。健康上はリスクがあるとのこと。

"Ritalin gone wrong"Jan 28, 2012
アメリカでは300万人の子供たちが、AD(注意欠陥)の「治療」に薬を飲んでいるという。Ritalinは薬の名前でStimulant(興奮剤)の一つ。よりアクティブにさせることで集中力を高める効果があるようだが、このエッセーによるとそうした効果も長期にわたる服薬により薄れていくとのこと。所謂順化だろう。薬の効果は思われているほどではなく、ADの治療にはより複合的なアプローチが必要とのこと。アメリカの子供が薬漬けになっている事実はそこここで報道されているが、日本ではどの程度、効果の薄い治療薬の服用が行われているだろう?

"Restored Edison Records Revive Giants of 19th-Century Germany" Jan 31, 2012
エジソンの研究所に保管されていた、蝋の円筒(蓄音機の記録媒体!)に、19世紀ドイツの「鉄血宰相」ビスマルクの声が保存されていた、というニュース。これまで知られている中で唯一のビスマルクの声の録音とのこと。NYTのサイトで聞けるので聞いてみたが、雑音がなかなかすごいものの、うっすらとおっさんの声が聞こえます。

"Path Is Found for the Spread of Alzheimer’s" Feb 1, 2012
これまで謎だった、アルツハイマー病の進行についての大きな知見が得られたというニュース。神経細胞をTauという蛋白質が伝播していくことが、病気に冒された部位の増加の理由だろうとのこと。抗Tau抗体を使った治療の可能性もあるようだ。
トランスジェニックマウスを使ったこの研究は、二つのグループが発表していて、NeuronとPLoS Oneにそれぞれ論文が発表された。後者へのリンクはこちら


〇書籍

"Guitar zero"
神経科学の研究者が、40歳の誕生日を前にギターを習得しようと思い立ち、音感がないにもかかわらず、一年間休職(正確にはサバチカル)してがんばった様子を書いたという本。NSとNYTの双方の書評・記事で取り上げられていた。
早速Kindle版を購入。


2012年1月26日木曜日

1月26日

〇New Scientist, Jan 21, 2012

"Forbidden reactions"
フィリップ・ボールの記事。化学研究であり得ないと直観的に思われていたが実は大きな発見、というお話5点。
準結晶、BZ反応(ちょっと前に茨城の高校生が新発見をしたというあれ)、超低温での合成反応とトンネル効果、希ガスの反応性、三原子の非古典的結合(二つではなく三つの原子が一つの結合をなす。
コンパクトな記事ながら、新しい化学の話題を巧く料理してみせる手法はさすが。希ガスは反応しない、と学校で習うが、それを鵜呑みにするなと教条的な記述もあるのはご愛敬。


〇New York Times

"Patients With Normal Bone Density Can Delay Retests, Study Suggests" Jan 18, 2012
骨粗鬆症の進行がかなり遅い、という記事。65歳(検査が推奨されている年齢)で異常がなければ、その後15年は検査の必要がない、という。

"Scientists to Pause Research on Deadly Strain of Bird Flu" Jan 20, 2012
鳥インフルエンザの感染力の強い株を得た研究者が一時(60日間)研究を中断して、専門家と研究の進め方を議論するという。パンデミックなどの危険を避けるための措置だというが、医学系の実験で研究を一時中断するのは極めて異例なことのよう。
東大の河岡教授のところにも中断の要請があったとNHKのニュースでやってたな。。New Scientistで記事になりそう。来週紹介。

アメリカでの男性のレイプ被害について。1.4%、あるいは3%の米国男性がレイプの被害にあっているらしい。。主に若い頃、知り合いに、というケースが多い模様。。

アメリカで双子が増えていて、30人に一人は双子。1980年から2009年にかけて、双子出産の割合は76%増加している。生殖補助医療や出産時の年齢の上昇などが要因と考えられる。